ケアワーカーと猫の手 by ウメ |
第60回 背中 |
近所の大竹家(仮名)の皆さんは、遊びに行くと話がはずみ、帰るのを忘れてしまうくらい、居心地がいい家族です。
そんな大竹家のお母さんのひざにいつも座っているのが、愛猫のすずちゃん3才。
喉を鳴らし、目を細め頭を擦り寄せ「ニャ〜」と甘え、お母さんがトイレに行く時には、背中に飛び乗り爪を立て、しがみついていることも。
そんな姿が可愛くて、みんなで笑っていると
「もし、私が施設に入ったら、この子と一緒の所がいいわ」
と、口癖のように言っていました。
65才で認知症になり、3月20日に施設に入居が決まりました。
お見送りの日、家に行くと背中にすずちゃんが、しがみついていました。
娘さんが
「お互いにいいと思って」
お母さんとすずちゃんが一緒に同居できる施設を探してきました。
そういった施設は金銭面も、探すこと自体も大変なのですが、ご家族の深い愛情を感じました。
私も老後、施設に入居することになったら、愛猫とのんびりと過ごせるところがいいなぁと思いました。
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