ケアワーカーと猫の手 by ウメ |
第58回 存在 |
美容室で髪を切って、気分サッパリで帰宅。
「ただいま〜」
ドアを開けると、いつもならコナツが座って待っているか、シッポを立てて嬉しそうに走って来る姿が当たり前と思っていました。
「あれ...こない...」
どうしたのかと思い、いつもいるはずのテーブルの下にも、寝室の畳まれた布団の上にもいないのです。
「コナツ!!コナツ!!」
泣きべそをかきながら、トイレの中やお風呂場の中まで探しましたがいませんでした。
もしかして洗濯物を干している時に気がつかない間に、ベランダへ出てしまい、そのままカギを閉めてしまったのかもしれない......
不安は増すばかり......
泣き崩れるように畳まれた布団に体を預けた瞬間、小さな声が
「ニャ〜...」
と聞こえました。
掛け布団の間から目を細め大きなあくびをし、ゆっくり体を動かしながら出てきたのです。
「ここにいたの〜?!」
と言いながら抱きしめました。
コナツの存在の大きさを、あらためて感じました。
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