ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第115話 夜9時すぎ |
夜9時。
それまで眠っていたり、遊んでいたチビネコが部屋を走り出し始める。毎日である。
走りながら、オオネコに攻撃もする。
オオネコは大きな体で、悲鳴をあげながら逃げまどう。
私もチビネコに大声をあげてしまう。
つい「やめなさい!!!」と、叫んでしまうのだ。
すると、チビネコは隣の部屋へ走って逃げ込み、オモチャの入った爪とぎのボウルのような物の中に入ってしまう。
そして「夜ですよ。もう寝ます」って顔して眠そうにこちらを見る。
そんな顔を見ると、怒りたい気持ちが無くなってしまうのだ。
夜中1時。
静かな部屋。
こっそり、隣の部屋を覗く。
オモチャにまみれて眠っているチビネコがあんまりかわいくて、そっと抱き上げて布団に連れてくる。
「一緒に寝よう」と声をかけると、眠そうな顔して、またおもちゃ箱に戻っていくチビネコ。
ゴメンゴメン。
気持ちよく眠っていたのにね。
また、朝になったら遊ぼうか。
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