ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第114話 音楽 |
家の花壇のシャクヤクが咲きまくり、ピークを過ぎて、散りはじめた。
ネコ3匹。日々は変わらない。
ネコのあなたと、チビネコとオオネコは相変わらず窓を開けると、外の空気を気持ちよく味わい、目を細めている。
そんな中、大雨が降った。
久しぶりのザーザーと音を立てる雨。
窓を閉め切り、部屋にいると、気分が滅入ってきてしまう。
やけくその気分で窓をガッと開けた。
雨の音。雨の匂い。そして、暗い空の色。
なんとなく、その空の重苦しい色を見ただけで頭痛がしてくる気がした。
ふと、足元を見ると、ネコのあなたが、まるでステキな音楽を聞いてるかのように、目を細め、外の空気を味わっている。
そうね。この雨の音も、ステキな音楽よね。
私はアイスティーを淹れて、雨の音をおやつに少しだけウキウキしながら飲んだ。
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