ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第112話 やわらかい毛 |
ネコのあなたが体調を崩した。
おしっこをつらそうに何度もする。
朝一番に動物病院に行った。
病院に着いても、珍しくあなたはミャーミャー鳴き続けて、私は久しぶりにヒヤヒヤしていた。
病院の先生に「膀胱炎かもしれない」と、言われた。
そして、注射をしてもらった。
家に着いたら、あなたは落ち着いたようだった。
ようやく、あたしも落ち着いて、布団に潜り込んで、眠った。
あなたもあたしの横にピッタリきて、眠った。
あなたと眠ってると、朝の不安がドンドン消えていく。
そして、夕方まで眠った。
起きた時、あなたは眠っていた。
そっと、手をあなたの頭に乗せて、なでる。
柔らかい毛。
なんだか、痩せてしまった頭。
でも、確かにあなたなのだ。
どうか、どうかまだ一緒にこの地球にいてと、願った。
あなたは頭をあげ、少し笑った気がした。
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