ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第109話 夢の中 |
家の近所の梅の木にたっぷり花がついた。
春は着実に近付いている。
春が近いのもあるのだろう。
ネコのあなたは、寝ている時間が増えた。
布団の上の特等席で。
あたしの足の間にすっぽりおさまる、その場所で。
何時間も寝るようになり、ご飯やトイレ以外起きなくなった。
どうか、どうか気持ちよく眠れるように。
それだけをあたしも願うようになってしまった。
でも、昨日あたしが布団に入り、ゲームをして遊んでいると、珍しくあなたがスリスリしにきた。
「ゲームなんかしてないで、あたしをなでろ」と、いいたげにグイグイ頭をくっつけてきた。
久しぶりに、ネコのあなたと、甘い時間を過ごした。
すぐにあなたは、あたしの隣で寝てしまったけど。
ねー、あなたの夢の中にあたしは出てくる?
夢の中のあたしは、あなたにすごくやさしい?だと、いいんだけど。
それだけが、今の心配事よ。
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