ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第64話 「帰宅」 |
やっと、終わったお正月休み。
休日が続いたので、いつもよりお出かけが多かった。
帰ってくるたび、毎回、ドアを開けながらネコのあなたの声に耳をそばだてている。
一生懸命、あなたの声を探すのだ。
「おかえり〜」と、聞こえてくる時はホッと一瞬でできるるのだが、聞こえてこないとドキドキしてあなたの探索が始まる。
荷物はそのままに、あなたをひたすら探す。
一回だけ、あなたが見つからない事があった。
名前を呼んでも、コタツの中も居ない。
いつもの布団の上にも丸くなって居ない。
私は背筋がゾワっとした。
あちこち探して、それでも居なくて最後に布団をめくってみた。
すると、あなたは毛布と布団の間に、ヌクヌクと丸くなっていた。
ホッとしてあなたに抗議する。
「ちょっと、声くらい出しなさいよー」
あなたは眠たくて、目をシバシバさせながら
「いい気持ちで寝ていたのよ!起こさないでよ!」と私に文句の一言。
「でも、帰って来て嬉しいー」としっかり付けたすのも、忘れずに私に目くばせした。
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