ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第62話 「お正月準備」 |
お正月まであと数日までせまった。
今年も残りわずか。
今までノンビリしていたしわよせが来たように、ドタバタと忙しくなった。
その中で、年賀状の準備というのは、毎年なぜかギリギリになってしまうものの一つで、その夜もペンを握りしめて年賀状書きにおわれてた。
そんな時に、いつもやってくるネコのあなた。
「ヒマー」と、私に訴えてくる。
寂しいのかもしれない。
ウロウロ年賀状の上を歩くので、その度に「やめてー!乗らないで!」とあなたを追い払った。
しばらく年賀状に夢中になっていて気がつかなかったが、終わる頃ハッと気づいた。
あなたがいない。
無視されたのがよほどイヤだったのだろう。
隣の部屋で寝ていた。
撫でても返事をしてくれない。
完全に拗ねているようだ。
私はあなたのお腹に顔をうずめ「いじけないでよー」と笑いながらモゴモゴ言った。
あなたは、ようやく「やめてよー!」と鳴き、機嫌よく嫌がって、逃げていった。
私が笑っていると、あなたが戻ってきて一言。
「もう一回やる?」と言った。
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