ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第60話 「寒い夜」 |
とても、寒い夜。
布団に包まって寝ていると、いきなり頭をネコのあなたに引っ掻かれた。
布団に入りたいのか、私がそっと布団を持ち上げると、体半分だけ布団に突っ込み覗き込んできた。
「いいよ。入りなよ」
言ってもすぐに入らず、私の顔を見ている。
「それ、本心で言っているの?」みたいな顔して、ジーッと私を見るのだ。
気が済んだのか、結論が出たのか、ノソノソと布団の中に入ってきた。
私はホッとして、あなたの暖かい温度と、ホワホワした自分の気持ちを感じながら、眼を閉じた。
ひっきりなしに、私の腕をあなたがモゾモゾとつかんでいる。
きっと、赤ちゃんがえりをして「ママごっこ」をしているのだろう。
「これはくすぐったくて、眠れないな」と思いながら寝たようで、ハッと起きたらあなたは布団の上。
私の足と足の間にいて、重くて気づいた。
今夜は寒いもんね。
あなたは甘えん坊だから、とても1人では眠れないのだろう。
あと、しばらくこうしててあげる。
そう思いながら、私はまた眠りについた。
コメント |
Copyright(C) 2008-2018 nekopunch.tv All rights reserved. |