ネコのあなたと「私」
by 黒目月子
第60話 「寒い夜」

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とても、寒い夜。

布団に包まって寝ていると、いきなり頭をネコのあなたに引っ掻かれた。
布団に入りたいのか、私がそっと布団を持ち上げると、体半分だけ布団に突っ込み覗き込んできた。

「いいよ。入りなよ」
言ってもすぐに入らず、私の顔を見ている。

「それ、本心で言っているの?」みたいな顔して、ジーッと私を見るのだ。

気が済んだのか、結論が出たのか、ノソノソと布団の中に入ってきた。
私はホッとして、あなたの暖かい温度と、ホワホワした自分の気持ちを感じながら、眼を閉じた。


ひっきりなしに、私の腕をあなたがモゾモゾとつかんでいる。
きっと、赤ちゃんがえりをして「ママごっこ」をしているのだろう。


「これはくすぐったくて、眠れないな」と思いながら寝たようで、ハッと起きたらあなたは布団の上。
私の足と足の間にいて、重くて気づいた。


今夜は寒いもんね。


あなたは甘えん坊だから、とても1人では眠れないのだろう。
あと、しばらくこうしててあげる。

そう思いながら、私はまた眠りについた。

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コメント
布団の中を覗き込もうとして顔に微かに触れる息とヒゲの先で中に入りたがっている我が娘に気がつく時が冬の朝のささやかな幸せだったりします^_^ただ寝相の悪い飼い主には早々と見切りをつけて長居はしてくれないですけど^_^;
ひよ | 12/18
いつもコメントありがとうございます 〉どらニャンコさん とても寒い夜、布団の中がポッと暖かくなってきたら、それは猫さんの魂がこっそりと入ってきたのかもしれませんよ。
黒目月子 | 12/17
布団に入ってくれたかと思ったら目が覚めるといつの間にか布団の上に居ますよね。ちょっと淋しくなる瞬間でもありますが…(^^;昨年と先月、愛猫がAIDSでお空に旅立ちましたが次の出逢いがあるまで夢でも良いから私の布団に入ってきてくれないかな…
どらニャンコ | 12/14
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≫第61話 「お湯」
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