ネコのあなたと「私」
by 黒目月子
第59話 「12月の匂い」

nioineko.jpg

クリスマスの音で街は賑やかになり、私もなんだかワクワクとソワソワのまじったような気持ちになった。
窓を開けて、そんな気持ちの中、大掃除を始めた。


ネコのあなたも「なんだか大変なコトが始まった!」と、落ち着きなくウロウロしている。


ベランダを雑巾がけしていると、いつの間にかあなたもベランダに出ていた。
「どう?外の空気は?冷たいでしょ?」と聞く私に、あなたは
「うーん。悪くないみたい」とベランダの点検が始まった。


付き合ってられないので「ほら、部屋に入っててよ」と言うと、仕方ないなーといいたげな態度で部屋に入って行った。

あなたはちょっと、外の空気が気に入ったようで、部屋の中から網戸越しに前足を窓の枠に手をかけ身を乗り出し、楽しんでいるようだった。


大掃除で久しぶりに綺麗になった網戸から、晴れた暖かい冬の空気が流れてくる。


さあ、あとひと踏ん張り。
そしたら、あなたも私も大好きなコタツでユックリ、お茶にしよう。

友達に教える
コメント
いつもコメントありがとうございます >どらニャンコさん 猫さんのツンデレぶりはいつも魅了されてしまうのです。
黒目月子 | 12/10
読んでると冷たい空気感とクリスマスの賑やかさ、師走の慌ただしさが伝わってくると同時に冬ならではの部屋の暖かさとホッコリ感で心が和みました。有り難うございます。猫さんのちょっとツンデレな感じも読んでてクスッと笑ってしまいました。
どらニャンコ | 12/07
コメントを書く
お名前:

内容:


≪第58話 「ブラッシング」
≫第60話 「寒い夜」
猫エッセイ
ネコのあなたと「私」
ケータイ猫パンチTV
Copyright(C) 2008-2018 nekopunch.tv
All rights reserved.