ネコのあなたと「私」
by 黒目月子
第58話 「ブラッシング」

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午前4時。
私はネコのあなたにブラッシングをしていた。
とてもヒマな朝で、他にやる事が見つからなかったのだ。

あなたはとてもブラッシングが大好きで、ブラシを見せるとターッと走って寄ってくる。
あなたの柔らかい体にブラシをかける。


あなたは気持ちいいのだろう。


どんどん興奮してきて、爪研ぎを始めてしまったり、テーブルまで行ってテーブルの足でスリスリしたり。
とにかく、ジッとはしていない。
でも、離れてもブラシをコンコンと叩いて音を鳴らすと、ハッと我に返ってまた走って寄ってくる。


行っては戻り、行っては戻り。
まるで、海のようだと思った。


波のようにとらえどころのないあなたをノンビリブラッシングしていると、心が落ち着くのだ。
このおだやかな海を見ているかのような時間が、私の気持ちもおだやかにしているのは間違いなかった。


あなたの体をブッラシングしているようで、気持ちよくなっているのは私の心かもしれない。

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コメント
いつもコメントありがとうございます 〉どらニャンコさん 猫さんは本当に不思議ですね。猫さんと一緒に心もまーるくなりますね。
黒目月子 | 12/03
ブラッシングしてあげてるつもりが実は自分のトゲトゲした心をブラッシングしているのかも…。そう考えるとやっぱり猫さんは不思議な存在ですね。猫さんとの時間は全てが至福の時間ですね。
どらニャンコ | 11/29
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≪第57話 「ヒザの上」
≫第59話 「12月の匂い」
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