ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第54話 「布団の奪い合い」 |
冬の代表選手「パンジー」や「ビオラ」を小さな庭に植えた頃、またネコのあなたと布団の取り合いの季節がやってきた。
私が布団にヌクヌクと潜り込み、ホッとしていると足元にやってくるあなた。
足と足の間にドカッと座りこみ、クルクルっとまあ割フカフカの焼きたてパンのように丸くなるあなた。
私はとても足が重たくて、動けなくなるのだ。
嬉しい?それとも、どいて欲しいほどにイヤ?
どちらともつかない思いが私の胸いっぱいに広がる。
しばらくすれば、私はモヤモヤしたまま寝てしまうのだ。
朝、いつもガバッと起きて一番に足元を見る。
いない。
私は「どこにいるのだ」と少し逆ギレしながら、あなたを探す。
あなたはコタツの布団で寝ている。
私はあなたの頭を撫でて
「おはよう。朝だよ」と、わざと起こす。
眠そうな、少し嬉しそうなあなた。
「おはよう」とあなたが挨拶の声をあげて、私のあとをついてまわる。
と、思っていたらいつのまにか、空いた私の布団の真ん中にあんぱんの桜の花のように、くぼみを作りながら、寝ている。
その様子を見たら「とても起こせない」と、思うのだ。
「私の布団だけど、昼間は好きなようにしていいよ」と、私は思っているけど。
あなたにしてみたら
「夜の間は貸してあげる。仕方ないなあ」
なのかもしれない。
黒目月子です。
また、よろしくお願いいたします。
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