ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第50話 「夕ご飯作り」 |
まだ一月なのに、春のような日にふと、餃子が食べたくなり、夕ご飯のために作った。
ネコのあなたは、私の手がふさがっていて忙しいのが分かるのか、ジッと少し離れた場所から、私の事を見ていた。
私は私で、あなたのことを撫でたくても、餃子を包んでいて無理なので、あなたのその様子から撫でて欲しいのは分かるけど、知らんふりしていた。
全て、包み終わり、フライパンで焼き始まると、さっきの静けさは一転。
ドカドカと忙しくなった。
次々と、焼き上がり、なんだかホッとすると、あなたもホッとしてきたようで、足元でスリスリしたり、鳴いたりしてきた。
あなたの頭をグリッと撫でながら、餃子を焼いた。
味見という名のもとに、アツアツの焼きたてをひとつ口に入れて、あなたに話しかける。
「全部できたよ。でも、あなたは食べられないから関係ないか」
すかさず、あなたは
「ゴハンより、抱っこー!」と一声あげた。
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