ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第46話 「お正月」 |
とても晴れた穏やかなお正月の朝。
私はせっせとお雑煮を作り、お正月気分を盛り上げていた。
ネコのあなたは、いつもの通り。コタツ布団に体をうずめていた。
お雑煮ができる頃になって、あなたは体を伸ばして起きた。
いつもとはちょっと違うテーブルに並んだお節の様子に気づいたようで匂いを嗅いだ。
あなたには興味の無いお料理ばかりで、つまんなそうな顔をしてたが、私と一緒にテーブルについた。
「明けましておめでとう」と、あなたと挨拶をかわす。
あなたは嬉しそうに、大好きな頭と頭をコツンをしてきた。
お節に興味が無くなったのだろう。
テーブルから飛び降りて、キャットタワーに少しだけ登り、窓から何かを誓うかのように外を見てる。
いつもの朝と一緒だ。お節以外は。
私も窓をガラッと開けて、外の空気をお腹いっぱい吸いながら生まれたばかりの2017年に向かって小さくつぶやく。
「今年もよろしくお願いします」
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