ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第47話 「日常」 |
お正月も終わり、ゆっくりといつもの日常にガタガタと戻った。
日常に戻ると、お正月ののんびりした毎日はウソのようで、私は朝から掃除機をかけながら、ネコのあなたをコタツから追い出していた。
掃除機から逃げまどい、遠くから恨めしげに見るあなたの目つきも日常のひとつだ。
掃除機をかけ終わり、部屋に戻るとキャットタワーで外を見るあなた。
時間がそこだけのんびり動いてるように見える。
「アレもコレもやらなきゃ」と、焦っていた私はハッとして、なんだか急に恥ずかしくなった。
あなたにとっては、毎日が特別で大切なんだろう。
私のように普段の日常をないがしろに過ごす事などないのだろう。
私はお湯にレモンを入れたものをゆっくりすすってあなたを眺めた。
座ってるだけで、幸せそのもののようなあなたの背中から、幸せのおすそ分けをもらった気がして、ゴクリとお湯と一緒に飲み込んだ。
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