ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第43話 「クリスマス前」 |
クリスマスツリーを部屋に飾ってみた。
とても、邪魔な物でもあるが、夜になるとピカピカ光るソレは、なんだか「ここに幸せがつまってますよ」と、ムダに主張しているようだ。
ネコのあなたがキャットタワーからこちらを見る。
ツリーの合間からあなたの顔が見える。
あなたは邪魔そうな迷惑な顔して、ツリーを眺め、立ち上がり、キャットタワーを降りて、ツリーのまわりをまわってこちらに来る。
ホント、迷惑そうに。
「クリスマスがもうすぐなんだよ。少しの間、我慢して」
と、言い訳のような説明をした。
あなたは「ふーん?」と、返事した。
あなたが楽しげにコタツの上に上がり、私の膝の上に乗ろうとする。
膝の上にコタツの上から乗り、私の顔を見て一言。
「楽しいコトはいつでもあるよ」
そう言って満足に丸くなった。
「そーだね」
私はあなたを膝の上に乗せながら、冬の夕方、カーテンも閉めず、のんびり一枚クッキーに手を伸ばした。
冷めたカフェオレと一緒に「焦る心」をゴクリと飲み干し、コタツでただ何もせず、ピカピカ光るツリーを楽しむコトにした。
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