ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第33話 訴える声 |
夕食作り。
ナスを切ろうとしたところで、思わぬジャマが入った。
ネコのあなたが私の足に爪を立てて、私を呼ぶ。
痛いのと、なんだか嬉しいので「なになに?」と声をかけた。
あなたはひたすら鳴くだけ。
さっぱり分からない。
「ゴハン無いの?」と、ゴハンを見てもたっぷりあるし。
「ちょっと待って」と言っても、あなたは我慢できない様子でまた爪を立てて私を呼ぶ。
困ってしまった。
さっぱり分からない。
何気なく、あなたの頭をグリグリ撫でて、体を両手で包むように撫でると、あなたは目を閉じて少し満足顔になり、行ってしまった。
「撫でて欲しかったのか」ホッとしながら少しビックリもしていた。
前より、あなたは甘えん坊になった。
そして、私を必要としてくれている、あなたの存在に私は胸がなんだかいっぱいになるのであった。
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