ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第15話 寂しがりや |
買い物に出かけた。
特別な事では無く、毎日している夕ご飯のための買い物である。
なんか出かける時、変だなとは思ったのである。
いつも家を出る時、関係ないような知らんフリの猫のあなたが座ってジッとこちらを見てる。
でも気にしなかった。
買い物してる間にそんな事も忘れた。
帰ってきて、鍵を開けるあたりで聞こえてきたあなたの声。
私を激しく呼んでるようだ。
急いで、荷物ともどもあなたの元に向かう。
部屋からあなたは出て、廊下で「さみしー!さみしー!」と叫んでいた。
慌てて荷物をおろし、冷蔵庫にも入れずあなたをなで始めた。
とたんにゴロゴロ、グリグリしてくるあなた。「そんなにさ、寂しかった?」
私は頭を手になすりつけてるあなたを見て「小さな生き物なのだ。不安にもなるだろう」と思う。
2人で気持ちが落ち着いてくるのを感じる。
あなたは満足して、私はホッとして立ち上がった。
「さあ、冷蔵庫にしまわなきゃ」
「そうね!」あなたは短い返事で答えた。
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