ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第12話 夜中の訪問者 |
暑い夜が、今年も始まった。
今日はあちらこちらで真夏日だったようだが、夜も真夏の味見のように暑かった。
なので、ガーゼケットを持ち出して、かけて寝る事にした。
寝てどのくらいたった頃だろう。
腕にフワッとした感触があり、サワサワッとくすぐったくて、ビクッと起きた。
一瞬で「ネコのあなたが来た」と分かった。
私はあなたが一緒に眠れるように体を布団の右にずらしてスキマを作った。
私の口の匂いをフガフガかいだり、足のウラのガーゼケットのさわり心地を楽しんだりしながら、やっぱりスキマにあなたはドン!と横になった。
暑いくらい、くっついて寄っかかりながら。
動くとあなたが気を悪くして、出て行ってしまう気がして、私はジッと天井を見ながら「今、何時だろう」と考えていた。
あなたはとっても暑くて、私は眠れる気がしなかった。
でも、いいのだ。
胸の奥、心のはしっこまでポカポカになりながら、私は一緒に眠る相棒が居る心強さを感じながら、目を閉じた。
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