ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第9話 ライブ |
ライブで音楽を楽しんできた。
帰ってくる頃には、お腹いっぱいにリズムやメロディーが入ってるようだった。
足どりも軽くなった気がして、部屋にフワリと入りこむとネコのあなたの仏頂面。
今日1日、あなたは楽しくなかったのか。
そして、家を留守した事に文句をあなたから言われてる間、私はやはり頭の中で、音楽を楽しんでいたのだ。
あなたと、音楽を楽しんでみよう。
ふと、思って、あなたの手つかみ、抗議するあなたを無視して手を上げた。
即興で唄をと言えば、聞こえは良いが簡単に言うと、テキトー唄を私が歌い始めた。
そして、あなたには振り付けをしてもらう事にしたのだ。
あなたのダンスはとても可愛らしくて、私は笑ってしまった。
開いた窓からの青葉の風を観客に、あなたの嫌がる声との合唱は、とてもにぎやかなものになった。
私が笑っているのもあなたは気に入らないようなので、ソッとあなたの腕を離した。
パッと逃げていくあなた。
なのに、あなたの名前を呼び、「おいで」と言うと、足を止め「またやる?」と期待をこめた目で近よってきた。
「またやるの?」私のライブはまだ終われそうにない。
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