ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第8話 曇り空と頭痛 |
鉛を垂らしたような曇り空の昼。
私はのしかかる低気圧のせいで、ひどい頭痛がしてた。
こめかみを押さえ、顔をしかめてイスに座っていたらネコのあなたが「たまには遊んであげてもいーよー」と、やって来た。
私はあなたの誘いに乗る気になれず「ゴメン。寝るよ」とだけ言って、横になり布団を頭の方までひっ被った。
あなたはよほど退屈なのか「ちょっとー!遊びなさいよー!」と、わめきながらニオイを嗅いでくる。
さらには頭、顔まで手を出してきた。
私は「ゴメン。今日は無理」とあなたの顔を手で押しのけた。
すると、諦めて隣の部屋へ行き、今度は「ひどーい!ひどーい!」と叫び始めた。
私は仕方なく布団からはい出て、あなたの相手を始めた。
しばらくして時計を見ると、夕ご飯を作る時間。
夕ご飯の支度をしてたら、頭痛のコトは忘れてきた。
だって、餃子を大皿2枚包むのだ。それどころではないではないか。
夕ご飯ができる頃、あなたがキッチンにやって来て「もう痛くないでしょ?」と得意気な顔をした。
私は素直にありがとうと言えない気持ちで(なぜなら、少し寝たかったのだ)あなたのシッポを握り、シュルッとなであげて小さな仕返しをした。
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