ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第7話 恋の唄 |
夜中1時半。
ネコのあなたに起こされた。
いわゆる、恋の季節が来たらしいのだ。
あまりにも枕元で騒いでいるので、仕方なく頭の中がまだ寝てるカンジだが、起きたのだ。
部屋に響き渡るあなたの恋の唄。
私は眠たくてガクガクするが、それを黙って聴いていた。
そして、せっかくだから家事をやろうとすると、阻止するあなたの手。
「黙って唄を聴いてちょーだい」って、心境なのか。
それなら、「いくらでも、どうぞ」という気持ちになり、テーブルの席についてあなたをながめた。
あなたが少しづつおとなしくなり、私の目が覚める頃には、あなたは丸くなり寝てしまった。
部屋になんだか取り残されたような気がした。
と、思ったらあなたは起きていて、空中をボンヤリみつめている。
今回の恋の悩みはどうやら、深いらしい。
「あなたも大変ね」そう言いながら、ソッと頭をなでたら、また恋の唄をがなり始めた。
ウロウロするあなたを見ていたら、私も恋の唄を歌ってみようかなと思い、小さく口ずさんでみた。
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