ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第6話 お花見 |
桜が咲いた。
季節が「おめでとう!」と、叫びながら春の装いに着替えたようだ。
あまりに桜がキレイなので、ネコのあなたとお花見に行ってみたい。と、思った。
まあ、無理なのだが。
あなたは家が大好きで、病院などに連れて行くために外に出る度に、怖がり、恐れおののいているほどだもの。
ま、いいや。
あなたはきっと見向きもしないだろうと分かっているのだけど、花壇に咲いたラナンキュラスの花を摘んでテーブルに飾った。
この花であなたとお花見をしよう。
薄黄色のその花は、まるで春の光のかけらだわと、ウットリ眺めた。
あなたは「なあに?コレ?」少し匂いを嗅ぎ、少しだけジッと眺めて、あなたもうれしいのか私に頭をこすりつけてきた。
私も頭を差し出して、好意のお返しをした。
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