ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第2話 コトリの声 |
部屋の空気を入れ替えようと、窓を開けた。
冬のまるでそこだけパソコンの画像のような青空。
コトリのかん高い声がどこからか分からないがする。
私はすかさずネコのあなたを静かに、でも強く呼ぶ。
「ねー!コトリの声がするよ!こっちに来て!」
でも、あなたはまだ寝ている。
あなたの好きそうなコトリの声がするのに、興味無いのかな?
私はなんだか、がっかりした。
あなたはコトリを知らないのだ。
あなたには知らない事がたくさんあるよね。
少しかわいそうな気もしてくる。
玄関を出た所に生えている、ラズベリーにトゲがあるのも知らないんだよね?
急にあなたが目を覚まして窓に駆け寄る。
身を乗り出しコトリの声をマネして鳴く。
「ニャニャニャ、ニャニャニャ!」
あ、あそこにコトリがいたのかー。
ちょこまか忙しそうに動くコトリが電線に居た。
あなたに「コトリはココよ。分からないの?」教えられた気がした。
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