ケアワーカーと猫の手 by ウメ |
第32回 希望の光 |
仕事の帰り道、利用者様の家の前を通った時のことです。
偶然、利用者様に再会しました。
「よかったウメさんに会えて! 今ちょうどアルがお産をしている最中なのよ!ちょっと家に上がれる?」
お産を見るのは初めての私は、お言葉に甘えておじゃまをさせて頂きました。
アルちゃんは心細い声を上げ
「ミャーミャー」
鳴いていました。
奥様がアルちゃんの頭を撫でながら優しい声で「大丈夫よ」となだめると、
安心したようにアルちゃんは3匹の子猫を産みました。
ご主人は生前
「俺が居なくなった後、お前が1人になっても寂しくないようにアルに子供を産ませたい」
そう言って今年の3月にガンで亡くなりました。
3匹の子猫は奥様の希望の光になりました。
3月いっぱいで訪問介護を退職し、4月から病院の看護助手として働き始めました。
今まで訪問介護ヘルパーは猫に招かれるを読んで下さりありがとうございました。
今後は看護助手として書いていきます。
コメント |
Copyright(C) 2008-2021 nekopunch.tv All rights reserved. |