ケアワーカーと猫の手 by ウメ |
第9回 意外な一面 |
利用者様は小学校の教員でした。
奥様を亡くされてからは、1人暮らしをされています。
穏やかな方なのですが、口下手なところもあり、私たちヘルパーが話しかけないと会話が続きません。
ある日、一匹のノラ猫が公園にいました。
「気持ち良さそうに寝ていますね」と話かけると、
利用者様が
「昔うちにも猫がいましたよ。家で飼えないからと生徒達が泣きながら私の家に持って来るのを見ると、妻も私も断れなくてね。多い時には15匹もいましたよ」
その言葉に私はビックリして、
「15匹! そんなにいたんですか!!」
とおもわず大きな声を出してしまいました。
利用者様は「あの頃が一番楽しかったですよ」とおっしゃいました。
それから猫15匹の話に花を咲かせました。
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