ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第104話 甘える |
オオネコ、チビネコ、そしてネコのあなた。
一番、私に甘えん坊なのは、黒いオオネコかもしれない。
いつでも、甘えたそうに私の顔を見ている。
そして、声をかけると、近寄ってきて、撫でてーーーーって顔をするのだ。
布団の中に入ってくるのも、料理をしてて後ろにあるトースターに乗っかり、私を見てるのも、このオオネコだ。
ただ、この子はただの甘えん坊ではない。
「他の人がいないと」甘えん坊なのだ。
そう、彼はすごくシャイで、あたしに甘えてるところを、他の人に見られたくないのだ。
母や夫に見られたら一大事とでも思っているのだろう。
逃げまどい、部屋のハジッコから様子をうかがっている。
そんなオオネコが、ノビノビと気持ちよさそうな顔をする時がある。
窓を開けて、網戸にした時。
この時だけ、オオネコは窓辺に座り、顔を上に上げ、目をつむり気持ちよさそうに深呼吸するのだ。
あまりに気持ちよさそうにしているので、あたしはオオネコのために窓を開けて、寒いと思いつつも窓を閉めることが出来ずにいた。
エアコンをガンガンかけて、30分後。
ふと、オオネコを見たらオオネコは布団の上に寒そうに丸くなっていた。
窓には3匹のネコの誰もいなかった。
窓を閉め、「寒ーい!」と、言いながらこたつに入ったら、嬉しそうにオオネコがこたつに入ってきた。
「寒くなるのもいいね」と、オオネコに話しかけ、コタツで2人暖まりながら、ゴロンと寝転がり最高の午後を過ごした。
コメント |
Copyright(C) 2008-2021 nekopunch.tv All rights reserved. |