ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第79話 恋人 |
今年の春もネコのあなたに忘れずに訪れた「恋の季節」
あなたは毎日のように激しく恋の唄を叫ぶようにうたっている。
どうやら今回の恋の相手は、あなたの爪研ぎダンボールにしたらしい。
寄り添ってはスリスリと甘えて、体をこすり付けて、ダンボールにありったけの愛を贈っているかのよう。
あなたが叶わぬ恋を、あんまり幸せそうにしているので「片思いもステキなのだな」と思ってしまうほどだ。
「恋もいいものだから、してみたら?」
あなたに簡単にそう言われた気がした。
コメント |
Copyright(C) 2008-2018 nekopunch.tv All rights reserved. |