ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第35話 意思の力 |
寒くなってきて、ずっと1日出かけていた日。
夕方帰ってくると、ネコのあなたは「ちょっと!どこ行ってたのよ!あたし1人だったのよ!」と、ちょっとヒステリックに鳴いた。
「ごめんごめん」と言いながら、あなたのゴハンを入れて、冷蔵庫にしまう物はしまい、着替えてペタリと座った。
ゴハンを食べて少し落ち着いた様子のあなたは、私のヒザに乗っかってきた。
「かわいいなー」と、思う間もなく、眠ってしまった。
いや、眠ったフリをしてるようだった。
私は夕ご飯を作るという仕事があったので「どいて」と頼んだが、動く様子はなく、私は困ってしまった。
確かに力は私の方が強いから、どかせられるが、あなたの意思の力の方が強いのだろう。
私は「困ったなー」と笑いながら、いつまでも、どかすのをためらってしまった。
まあ、いいわ。
あなたの体温で私の体と心はポカポカになるのを感じた。
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