ケアワーカーと猫の手 by ウメ |
第30回 おかえりなさい |
利用者様は69才の男性で奥様と2人暮らし。
利用者様は右半身に麻痺があり、リハビリに通っています。
「寒い中いつもありがとね」
そう言いながら家の中から出て来る奥様。
リハビリの送迎車の到着時間は、日によって多少時間が前後します。
「ニャー」
と鳴きながら塀の上に座っているのは利用者様の飼い猫チロ。
「お父さんがもうすぐ帰って来るって教えているのよ」
にこやかに言う奥様。
「なんでチロは分かるのですか?」
と聞くと
「チロは2階の窓からリハビリの送迎車が帰って来るのをずっと待っているの。送迎車が見えると、2階から降りて来てここの塀の上に座って、お父さんが帰って来るよって教えてくれるのよ」
その言葉に胸がギュッと締め付けられました。
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