ケアワーカーと猫の手 by ウメ |
第19回 ナナ |
67歳の認知症の男性利用者様は、ご家族と一緒に住んでいました。
愛猫ナナを亡くしたことがきっかけで認知症が進み、毎日ナナを探している利用者様を見ているのが辛かったです。
ある日、夜中に裸足のまま「ナナー!ナナー!」と大きな声で探しているところを、ご家族が見つけ家に連れて帰りました。
このことがきっかけで、ご家族は利用者様を老人ホームに入所させることを選びました。
入所の日、車イスに座った利用者様に息子様が
「父さん、ナナはずっと父さんのそばにいるから大丈夫だよ」
と小さな骨壺を手渡すと
「ナナ」
と言って、しっかり胸に抱きしめていたお顔は、とても安心しているご様子でした。
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