ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第101話 優しい夜 |
ずいぶんと寒くなり、ネコのあなたは毎晩私の布団の中に入ってくるようになった。
ずっと入ってくれればいいのに、出たり入ったりで、そのうちに私は起きなくなるのだろう。
朝になると、私の足と足の間あたりの布団の上にズシッと乗っかっている。
あなたはしきりに甘えて、そんな夜はまさにあなたのための時間だ。
先日、私はうなされて起きた。
悲鳴をあげたようだった。
ドキドキしてガバッと起きると、あなたが私の様子を見ている。
なんだか不安なのだろう。
「大丈夫?大丈夫?」と、泣き叫びながら私のまわりをグルグルと回っている。
その様子を見ていたら落ち着いてきた。
その後、あなたとまた布団に入りヌクヌクと暖まった。
不安な夜。寒い夜。なんだか眠れない夜。
あなたはいつも私をこれでもかというくらいに、温めてくれる。
だからいつも優しい夜なのだ。
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