ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第89話 笑顔 |
コネコが突然我が家にやってきて一週間ほどたった。
私はコネコというものがどんな生き物か知らなかった。
元気に大騒ぎに遊ぶ様子に、私とネコのあなたはタジタジになった。
部屋をかけずりまわり、捕まえられない。
しかも、あなたに飛びついたりして、コネコはあなたに怒られていた。
コネコをケージに戻すと、あなたと2人でフーッとため息をついた。
頭痛がして、コネコと仲良くやっていけるのか不安になった。
しかし、とても暑い日。
あなたがコネコが寝たのを見てケージに近寄って行った。
匂いを嗅いで調べている。
「仲良くなれそうよ」と、ボソッと言ったような気がした。
そしてあなたはコネコに、怒らなくなった。
それからは、私が途方にくれ困っていると、いつでもあなたは私に、「大丈夫よ」と笑ってくれた。
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