ネコのあなたと「私」 by 黒目月子 |
第29話 夜中の雑巾がけの理由 |
時計を見ると、夜中の12時半。
恋する季節のネコのあなたに起こされた。
くすぐったいヒゲで。
時間が時間なので「起こさないでよ!」と怒ってもいいと思うのだが、あなたがあんまり愛の唄を叫び歌ってるかのようで、なんだか「もういいや」とあきらめた。
あきらめたら、気分すっきりと起き出せて何をしようかとリビングを見渡した。
「拭き掃除でもしよう」と思い立ち、雑巾を片手に床を磨きだした。
部屋を拭いて、階段を拭いて、フーッ。休憩のお茶にでもしようと思った時、気づいた。
あなたが静かだ。寝ている。
「今のうち!」と私も急いで、布団にもぐりこんだ。
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